外国人雇用・在留資格

特定技能2号の対象分野と必要テスト一覧
―― 全11分野の試験・実務経験要件をまとめて確認

最終更新:2026年3月 | 参照:出入国在留管理庁・各分野協議会
特定技能2号は、在留期間の上限がなく家族帯同も認められる、外国人材にとって長期定着のステップとなる在留資格です。2023年の分野拡大により現在11分野が対象となっていますが、「どの分野で・どの試験を受ければいいのか」が分かりにくいという声をよく聞きます。本コラムでは、出入国在留管理庁および各分野の協議会・試験機関の公表情報をもとに、11分野の必要試験と実務経験要件を一覧表で整理します。

特定技能2号とは何か

特定技能2号は、特定産業分野において「熟練した技能」を有する外国人が取得できる在留資格です。出入国在留管理庁の運用要領では、「長年の実務経験等により身につけた熟達した技能」として、自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる、または監督者として業務を統括しつつ熟練した技能で業務を遂行できる水準を指すとされています。

特定技能1号との主な違いは以下の3点です。

特定技能1号との主な違い
介護分野は2号の対象外です。介護については在留資格「介護」という別制度があり、特定技能2号は設けられていません。また、2024年3月に新たに追加された「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野も現時点では2号の受入れは行われておらず、まず1号からのスタートとなります。

11分野の試験・実務経験要件 一覧表

特定技能2号に移行するための要件は、①分野ごとの評価試験(または技能検定1級)への合格、②一定期間の指導・管理業務を含む実務経験の2つです。分野によって試験名称・実施機関・必要実務経験年数が異なります。

分野 評価試験(2号) 代替ルート
(技能検定等)
必要な
実務経験
日本語
試験
試験実施機関
ビルクリーニング ビルクリーニング分野
特定技能2号評価試験
技能検定1級
(ビルクリーニング)
2年以上
(複数作業員を
指導・管理)
不要 公益社団法人
全国ビルメンテナンス協会
工業製品製造業 製造分野特定技能2号
評価試験
+ビジネス・キャリア検定3級
(生産管理プランニング
又は生産管理オペレーション)
技能検定1級
(各作業)
3年以上
(複数技能者の
指導・工程管理)
不要 経済産業省・
一般社団法人
工業製品製造技能人材機構
建設 建設分野特定技能
2号評価試験
(土木・建築・
ライフライン設備の
3区分)
技能検定1級
(各職種)
班長・職長としての
実務経験
不要 一般社団法人
建設技能人材機構
(JAC)
造船・舶用工業 造船・舶用工業分野
特定技能2号試験
(溶接・塗装・鉄工等)
技能検定1級 2年以上
(複数作業員の
指揮・命令・管理)
不要 一般財団法人
日本海事協会
自動車整備 自動車整備分野
特定技能2号評価試験
自動車整備士
技能検定2級
3年以上
(地方運輸局長
認証事業場)
航空 航空分野特定技能
2号評価試験
(空港グランドハンドリング
・航空機整備の2区分)
3年以上
(監督者として
の業務経験)
不要 公益社団法人
日本航空技術協会
(JAEA)
宿泊 宿泊分野特定技能
2号評価試験
2年以上
(複数従業員を
指導しながらフロント・
接客等に従事)
不要 一般社団法人
宿泊業技能試験センター
農業 農業技能測定試験2号
(耕種農業・
畜産農業の2区分)
2年以上(従業員指導・
工程管理)
または
3年以上(現場経験)
不要 一般社団法人
全国農業会議所
漁業 2号漁業技能測定試験
(漁業・養殖業の
2区分)
2年以上
(作業員の指導
または管理者補佐)
JLPT N3以上必須 一般社団法人
大日本水産会
飲食料品製造業 飲食料品製造業
特定技能2号
技能測定試験
2年以上
(複数作業員を
指導・工程管理)
不要 一般社団法人
外国人食品産業
技能評価機構
(OTAFF)
外食業 外食業特定技能
2号技能測定試験
2年以上
(複数従業員の
指導・監督+
店舗管理補助)
JLPT N3以上必須 一般社団法人
外国人食品産業
技能評価機構
(OTAFF)
表の見方・注意点:実務経験の内容・年数の算定方法は各分野の運用要領で詳細が定められており、技能実習期間中の経験がカウントされる場合とされない場合があります。また一部の分野には経過措置(2号拡大前からの在留期間を考慮した短縮措置)があります。最新の要件は各試験実施機関および出入国在留管理庁の公式情報を必ず確認してください。

分野別の補足事項

日本語試験が必須な2分野

11分野のうち、漁業外食業の2分野は、技能試験の合格に加えてJLPT(日本語能力試験)N3以上の合格が在留資格取得の要件となっています。

代替ルートがある分野(技能検定)

ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船・自動車整備の5分野では、特定技能2号評価試験のほかに技能検定1級(自動車整備は2級)による取得ルートがあります。ただし技能検定1級は受験資格に長期の実務経験が必要なため(学歴によっては最大7年)、在留期間に制限がある特定技能1号の外国人にとっては2号評価試験ルートが現実的です。

工業製品製造業の追加要件

工業製品製造業分野は、製造分野特定技能2号評価試験への合格に加えて、ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション)への合格も必要です。他分野にはない追加要件のため注意が必要です。

農業分野の2つの実務経験ルート

農業分野は実務経験要件に選択肢があります。複数の従業員を指導しながら工程管理を行う者として2年以上の経験か、現場で農業に直接従事する者として3年以上の経験のどちらかを満たすことが必要です。

特定技能1号から2号への移行の流れ

① 実務経験の積み上げ
期間の目安
特定技能1号として就労しながら、指導・管理業務の実務経験を2〜3年(分野による)積む。辞令書・職務命令書など経験を証明できる書類を整備しておくことが重要。
② 2号評価試験の受験
申込方法
分野ごとの試験実施機関に申し込む。一部分野(飲食料品製造・外食等)は企業からの申込みが必要。受験申込時に実務経験証明書の提出が求められる。
③ 在留資格変更許可申請
申請先
試験合格後、地方出入国在留管理局に特定技能2号への在留資格変更許可申請を行う。1号通算在留期間の満了を待つ必要はなく、要件を満たせば早期移行が可能。
④ 2号取得後の在留更新
在留期間の種類
1回の許可で付与される在留期間は3年・2年・1年・6か月のいずれか(分野による)。更新回数・通算期間に上限はなく、継続就労が可能。家族帯同の申請も可能となる。
1号の在留期間満了が迫っている場合は次のセクションも確認してください。2号試験に不合格となった場合でも、一定の要件を満たせば在留期間を最大6年まで延長できる措置が設けられています。

2号評価試験等に不合格となった場合の通算在留期間の取扱い

特定技能1号の通算在留期間は原則5年以内です。しかし、令和7年9月30日の運用要領改正により、2号評価試験に不合格となった1号特定技能外国人のうち一定の要件を満たす者については、通算在留期間を最大6年まで延長できる特例措置が設けられました(出入国在留管理庁「通算在留期間」ページ)。

延長措置の対象となる要件(3つすべてを満たすこと)

申請の手続き

この特例措置の適用を希望する場合は、5年の通算在留期間が満了する概ね3か月前に、在留期間更新許可申請と合わせて以下の書類を提出する必要があります。

提出書類
在留資格「特定技能1号」の在留期間更新許可申請に係る通常提出書類
通算在留期間を超える在留に関する申立書(参考様式第1-31号)
分野別運用方針に定める2号移行に必要な全ての試験結果通知書の写し(試験実施機関発行・合格基準点の8割以上の得点が確認できるもの)
注意点:

受け入れ企業が押さえておくこと

特定技能2号への移行を見据えた受け入れを行う場合、企業側にも準備が必要です。

企業側の準備チェックポイント

参考資料(一次情報)

※本コラムは公表情報をもとに作成していますが、制度・試験情報は随時更新されます。最新情報は各機関の公式サイトおよび出入国在留管理庁でご確認ください。

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